【2019.11.27】
こんばんは、ユキです。
昨夜雨が降り、今日の日中も時折パラパラしました。
そろそろ地面が乾くかな、という時に雨が降ります。
はじまりはじまり~。
私の家の前の道に、垂直に道が伸びていて、その道沿いに10mほどの砂浜の海岸がありました。
そこはたくさんの海水浴客でごった返していました。
『タレントと水かけ大会!』が催されるようで、5列ほど波打ち際から長い列ができていました。
「おまえは並ばないのか?」
年下の『B』という名の男性が聞いていきました。
家族でも、恋人でも、友達でもないようで、仕事仲間と言った方が合う感じでした。
「並ばないよ。やりたいとは思わないし。」
「ふーん。」
「Bは?」
「オレも興味ない。岩場の方まで行ってみるわ。」
「行ってらっしゃーい。」
二人に笑顔はなく、淡々と話していました。
私はBを見送ると、砂浜の端に座って砂を触りました。
波が引いたばかりのところで、少し湿っており、簡単に団子状になりました。
背中にじりじりとした暑さを感じながら、団子を作っているとイベントが始まり、歓声が聞こえてきました。
いくつか作り、飽きたので、握った砂を掌に乗せて揺らしました。
すると、砂が勝手に動き、中心が細い円柱状になりました。
すぐに両先がスプーンのような形になりました。
片方は大きく、もう片方は小さいスプーンで、真ん中で折りたためるようになっていました。
「おお、何かできた。」
強く握るとさらさらと崩れ、砂に戻りました。
落ちた砂を掴んで手を揺らすと、また同じものができました。
さらにもう一度作って確かめました。
Bに見せようと顔を上げると、砂浜には誰もいませんでした。
そんなに遅い時間ではありませんでしたが、海水浴客は帰ったようでした。
岩場を見ると、Bがロッククライミングのように海面から2mほどのところにしがみついていました。
「B! 何やってるの?」
「え? 登りやすそうだったから。」
「なるほど。みんな帰っちゃったみたいだよ。」
「ああ。ちょっと前にお開きになったみたいだったぞ。」
「知ってたの? 教えてくれれば良かったのに。」
「おまえ何か真剣にやってたし、残ってても問題なさそうだったから。」
「そっか。」
「で? 終わりか?」
「あ、そうそう! 見て! 砂で計量スプーンできたよ。」
「何だそりゃ!?」
「真ん中で折りたためるんだよ。」
「何に使うんだよ?」
「えー、料理?」
「まぁ、計量スプーンだからな・・・ 帰るか。」
「了解。」
おしまい。ありがとうございました。
私達は何をしに行ったのでしょうか。
そして、なぜ計量スプーン・・・
今回はちゃんと登場人物の名前を憶えていました。
が、『B』って・・・
ちなみに、見覚えのない顔でした。